麹をもっと海外へ by CAMOSSONS 麹をもっと海外へ

バルサミコ酢・熟成ワインビネガーの醸造所を訪ねてきました

バルサミコ酢・熟成ワインビネガーの醸造所を訪ねてきました

 

発酵の勉強を始めてから4年間。

地方に足を運ぶたびに蔵元を訪ねるのはライフワークの一部になりつつありますが、これまでは麹を使った発酵に注力し日本の醸造にばかり目を向けてきました。

 

新製品の開発の中で原材料に向きあう中ワインビネガーの事について少し調べてみたいと思っていたら、事業を手伝ってくれている発酵仲間が山梨で熟成ワインビネガーを製造している素敵な女性をご紹介くださるということでアレンジをお願いし、先週ビネガーの勉強の旅に山梨に足を運んできました。

 

何を隠そう、日本でワイナリーにちゃんと行ったことがない私。(一緒に行った勝沼のワイナリーを制覇している麗さんに非常に驚かれる。)

はい、子供の時大人にいやいやついていったことしか覚えていません💦

 

ワイナリーやシャンパンの醸造元はフランスではいったことがあるけど、それこそ発酵の勉強をしはじめてからは一度も足を運んだことがなかったのであらためて「違う目で見れる」ことにとてもワクワクした気持ちで出発。新宿から【かいじ】に乗り、1時間半もすると山梨市駅に。そこから歩いて15分位のところにアサヤ食品株式会社さんがあります。

 

この日は贅沢な事にアサヤ食品株式会社の代表取締役社長であられる杉山弘子さんに根ほり葉ほりワインビネガーについてお話を聞いてきました。

 

 

 

受け継がれる技術・菌と挑戦

アサヤ食品株式会社は60年以上前にお父様の時代から創業されて、今は元々薬剤師でいらっしゃった弘子さんが継がれています。

 

山梨の生食用に育てた規格外の美味しいぶどうを20種類以上使って、熟成ワインビネガーやバルサミコ酢を作っていらっしゃいます。

今では持続可能な生産、やらSDGsやら評価基準がありますが、そんなものが無かった随分昔から地元産の生食用でも形が不ぞろいだったりする理由で市場にでない規格外のぶどうを契約農家さんから買取り、有効利用する形でワインビネガーづくりに向きあっています。

 

そもそも国産のワインビネガーとかバルサミコ酢?ってあまり聞かないと思いませんか?

発酵の勉強をした方ならわかりますが、お酢を作るにはまずアルコール発酵の工程が必要になります。大抵のお酢メーカーはワインを買ってきてから酢を作る工程から始めますが、こちらではなんとぶどうからワインもろみを自社でまず作り、その後ワインビネガーに発酵・熟成させていきます。その工程を一貫して生産している国内では唯一のワインビネガー専門メーカーなのです。

 

試食もさせてもらいましたが、さすが5年も熟成させているワインビネガーは角がとれてまろやかなコクがありました。

輸入ビネガー(私も良く使う事のあるフランスのワインビネガー💦)はのどが痛くなるほどの酸度なので明らかにコクの違いが分かりました。(これはこれで美味しいのですけどね。)お料理が苦手な人でもそのままサラダに使っただけで高級ドレッシングになるというのが一番しっくりくる説明かもしれません。

 

かけただけで美味しい、そんな説明はどこでも聞きますけど(私もAtelier de Kojiの調味料の説明でもいいますが)このワインビネガーは酸化防止剤をつかっていないという珍しく無添加なワインビネガーなのです。

 

お話を伺うと、ほとんどのワインビネガーメーカーはワインを買ってきてそこからビネガーを作るから、ワインの質が安定をしていないとビネガーの設計ができないので、質安定の為に酸化防止剤を使う事が殆どなんですって。だけどアサヤビネガーの場合はワイン(もろみ)自体を自社で作り、発酵と熟成をさせるので無添加でのワインビネガーというのが成立するというお話でした。知らなかった!

 

又酵母と違って酢酸菌はそもそも売っていないので、長年アサヤ食品さんで蔵に代々住み着いている酢酸菌を使ってビネガーを育てているというお話は発酵好きにはたまらないお話でありました。

 

 

 

ちなみに写真のスウィートビネガー桃というのもアサヤビネガーのオリジナルで、熟成ワインビネガーに山梨の桃果汁100%を自社で煮詰めて絶妙にブレンドしたものです。こちらは炭酸などで割って飲んだりしたら夏は美味しそう!

 

山梨ぶどうの香り高い国産バルサミコ酢に感動

 

もう一つ忘れてはいけないこちらの看板製品がバルサミコ酢!

 

日本のぶどうの味がしっかり反映されたシロップのようなこちらの濃厚バルサミコ酢は、イタリアからわざわざ運んできた樽のなかで6年以上熟成されて仕上がります。7種のバルサミコ専用木樽で出来るそれぞれのバルサミコ酢は樽の木の香りがついて特徴的でうっとりするようなそれぞれ独特な芳醇な香りがするのですが、最終的にはそれをミックスさせてアサヤビネガーさんのプレミアムなバルサミコ酢が完成します。

 

 

こちらでは、工場長の中込さんのお話を伺いました。6年以上の間毎日のように天塩をかけてお世話をしてあげているバルサミコ酢はさぞかし可愛いでしょう。そんな

我が家は皆バルサミコ酢が大好きで、フランスに帰るたびに1年分のバルサミコ酢を買って帰ってくるのですが、今は手元の美味しいバルサミコ酢を

切らしてしまっています。

 

ということで勿論購入してきたのですが、これが酸味のあるプルーンのシロップのようで本当に美味しかったです。

 

熟成ワインビネガー工場ものぞかせていただきました

 

このほかにも熟成ワインビネガーの工場も見学させていただきました。

勿論秋のぶどうを作る時期にフル稼働なので今は想像を働かして雰囲気を見させていただくにとどまりましたが。

 

 

 

こちらでもぶどうが工場に届いてから発酵・熟成の工程の話をじっくり伺う事が出来ました。

 

 

さて、帰宅し、家族に一通り興奮やまず話し、試食会を開いた後は、お料理タイム。

 

何にかけても美味しいでしょうが、週末にランチに作ったケークサレ(ズッキーニ、羊のチーズ、黒オリーブ、発酵麹大豆フレークイタリアンなどを入れて焼きました)にとろーりとかけて食べたら最高に美味しかったです。

 

   

 

弘子さん、工場長の中込さん、貴重なお時間とお話をありがとうございました!

 

 

写真のおまけ:代表の弘子さんとカモソンチーム。又なんらかの形で是非ご一緒出来れば嬉しいなと思った素敵な方でした。

 

アサヤ食品株式会社

https://www.asayafoods.com/

 

ふるさと納税でも購入ができるそうなので「さとふる」のサイトで是非見てみてくださいね!

 

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