2025年木桶サミットに参加@小豆島
木桶サミット@小豆島
1月30日~2月1日まで小豆島で行われた木桶サミットに参加してきた。
木桶醤油の海外広報&通訳に関わるお仕事は2年ほど関わらせていただいている。もう今年はさすがに海外に引っ越しちゃったし無理かなと思っていたけど、他の仕事とうまく合わせることで1月の日本出張が叶い、小豆島にもまた足を運ぶことができた。このサミットの中心にあるテーマは醤油、味噌、酒など、日本の食文化に欠かせない発酵食品を支えてきた木桶を次世代へ繋ごうということで、これらの発酵食品の生産者や木桶職人が集結する。
木桶づくりを職人がオープンに行い、それを学びに来る全国、海外からの醸造家や専門家のイベントではあるけれど、それを手伝わせてもらい、携わらせてもらう楽しさを経験させてもらえる業界の人(ファン)たちでも賑わう。その他にも木桶や食文化にまつわるトークショーや有名ラーメン店やお米生産者による試食などが振舞われ、来場者同志の話も弾む。
木桶を次世代へ繋ごう
木桶サミットに来るのは4回目。
今回は若手醸造家の世代交代がテーマだった。彼らが何か月も打ち合わせを重ねて木桶サミットを企画し盛り上げたので今までとガラッと雰囲気が違う。慣れない中で少し戸惑うシーンがありつつも、それを後ろで見守り、何かあったときの為に支える用意をするベテラン組の組み合わせがあり心強い。仲間意識や信頼関係はこうして築かれていくんだろう。
それにしても醤油屋の競合同志がこんなに仲良くなるなんてことがあるんだろうかと毎回感心する。これまでいくつものも蔵を訪問させてもらってきたけれど、毎日の営みは誇りや喜びをもってやっていることだとは言え、過酷だろうなと毎回思う。夏は暑く、冬は寒い。仕込みは重いしきつい。天然醸造だから気は抜けない。だけど地域の食文化を守るために、日本の伝統を守るために信念をもって来る日も来る日も醤油と向かう。そんな蔵人たちだからこそ、ここで出来た横のつながりというのはかけがえのないものだろうし、蔵の外での大事な居場所なんだろうなと少し近くにいさせていただく存在としてはひしひしと感じさせられる。この熱を横で感じて、心を動かされた人たちが、また一年何か自分たちにできることを探してそれぞれ過ごすことになる。私もその一人だ。
伝統の継承
今回は和船造りに携わるアメリカの研究者がゲストに来ていた。彼は佐渡のたらい舟の作り方を伝統が廃れる前に弟子として日本人の師匠の元で習い、世界各国で啓蒙活動を行っているという珍しい方だった。彼は非常に日本の昔ながらのクローズで厳しい環境の中で師匠の造りを横で‘’盗み稽古’’をしてその技術をモノにしてきた。
それに比べると、こんなに誰でも来れるオープンな環境で仲間と取り組みながら伝統を継承するなんて考えられないと驚いていた。そして、きっとこれが伝統が継承していくカギになるんだろうな」と言っていたのが印象的だった。
富山から来ている若い樽職人さんも言っていた。「自分も樽職人を見て格好良いと思ってこの世界に入った。同じように思ってくれる人がいたら嬉しい」と。職人ってなんだか格好良い、自分もなってみたい、楽しそう。と思ってもらう方法としてもこのようなわいわいとした環境づくりは意味をなす。これを率いている(そしてサミットの会場になっている)ヤマロク醤油の山本さんが何年もかけて仲間と築いてきた先にこの景色があったんだ。
私は自分のできることとして、またフランスで一人でも多くの木桶醤油ファンを作るために今年も活動していこうと思う。
やっ樽でー、桶ー!
(お決まりの掛け声です)
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麹をもっと洋食に|Atelier de Koji by CAMOSSONS
麹を使った日本の伝統発酵調味料を洋食文化に広げたい思いで【Atelier de Koji(アトリエ ドゥ コウジ)】が生まれました。発酵マイスター・プロフェッショナル・上級麹士の資格を持つオーナーが、無添加でうまみのある調味料を洋食に使えるようアレンジをし甘酒ケチャップをはじめ様々にご提案致します。ワークショップやポップアップなども不定期で行っております。
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