麹をもっと洋食へ|Atelier de Koji by CAMOSSONS 麹をもっと洋食へ【Atelier de Koji(アトリエ・ドゥ・コージ)】にお任せください!発酵マイスター上級麹士の資格を持つオーナーが、日本の国菌である「麹」を最大限に生かし、お子様からご年配の方まで安心してお口にでき、かつ手軽に美味しい味をお楽しみいただける調味料を甘酒ケチャップをはじめ様々にご提案致します!

Atelier de Koji_商品販売終了ー5年間ありがとうございました

商品販売終了ー5年間ありがとうございました

 

突然のアナウンスとなってしまい申し訳ありません。

事後報告となりますが、3月29日を持ちまして、Atelier de Koji(アトリエドゥコージ)の商品のECサイトでの販売を終了させていただきました。

 

期末セールではお陰様で多くの方にお求め頂きまして、完売となりました。

最後に余すことなくお嫁に出すことが出来て産みの親として安心しています。

 

この機会に一度過去を振り返って、商品を持ってから5年間どんな経験をしたか少しお話させてください。

(自分の記録の為に少し長くなります。)

 

コネも経験も何もない所からの出発。

 

私は長い事、モノづくりの業界で会社員をしていました。中でも一番長かったのが自動車業界でした。

自動車の業界は商品自体には興味が無かったものの(すみません)、管理部門でしたが工場に行くことも多く、自分が関わる商品が巷に出る喜びは知っていたのです。会社員人生の大半はフランスで過ごしましたが、2015年に日本に帰国してからはモノづくりでない世界に行きたいとコンサル業界の戦略部門に移りました。でも合理・成果主義、金銭感覚がマヒしそうな世界が全く性に合わず、3年弱で体を壊しそうになり一度キャリアブレイクをしました。2018年の事です。

 

その間体に何か良い事を始めようと調べ物をする中で【発酵】にたどり着いたのです。

 

発酵の勉強は一年しました。覚えた事をアウトプットするため、小売りの経験を積むために発酵のアンテナショップでパートも傍らさせてもらっている中でモノづくりの楽しさを思い出しました。会社員時代にもいつか自分の商品を持ちたいと思っていたことも。

 

いつの間にか商品化を視野に入れてキッチンで商品開発を無心にする毎日を過ごしながら起業をするタイミングを狙い始めたのです。

初めに開発したのは「甘酒ケチャップ」。もともと甘酒が大好きだったので、ケチャップの中に大量に入っている砂糖の代わりに甘酒を使おうと思ったのです。

 

 

試作で作っていた色々な味のケチャップたち。

 

突然やって来たその起業のタイミング

 

正直なところ、いつのタイミングで起業をしたいと思ったのかは覚えていません。

 

食品業界にいたわけでもないので食のモノづくりはわからないし、卸の仕方も価格の付け方も全く知識はゼロです。聞ける人もいません。でも迷った覚えが全くないのです。管理部門に居た時の性から事業計画だけは立派なものが出来ていました(笑)。

 

自宅のキッチンで試作した甘酒ケチャップが美味しい!これを商品化するしかない!と思ったその時の強い気持ちだけは明確に覚えています。

 

そんな時、発酵マイスターの資格習得後、属していた協会から一斉メールが届きます。【船橋の東武百貨店で発酵食マルシェをやるので商品を持っている人で参加したい方を募集します】という内容。私はこれだ!と思いました。

 

分からないって怖いもの無ですよね。

 

何の経験もないのにまだ4か月程あるからどうにかなると思ってしまったのです。誰も止めなかったし、そもそも周りに食品業界の人もいなかったので主人や家族を含め皆が無邪気に応援をしてくれ、私も無邪気に起業の覚悟を決めたのです。

 

協会に参加希望の旨連絡をすると、企画書を持って会いに来るようにと理事長からお声がかかりました。心臓が高鳴りましたが、数日後に企画書と試作のケチャップを持って理事長に会いに行ったのです。後から思うと、東武百貨店を相手にまだ商品化されていない、起業もしていない会員の後押しをするなんてとてもリスクのある事だったと思います。

 

理事長は私の話を一通り聞いて試作を味見し、躊躇せずに「面白いね、やってみたらいい」と言って背中を押してくださったのです。

 

そしてその時【ビジネスを進める上で商品を持っているのは強い】と教えてくださりました。

 

その意味は後から身に沁みて分かることになるのです。この時に理事長が背中を押してくださらなかったら今の私はいないと思うと感謝の言葉しかありません。

 

日本発酵文化協会代表理事長の横山貴子さん。飲食店経営に長けておられる私のメンターです。

 

楽しかった東武のイベントとその後の現実

 

さて、4か月あるとは言ったものの、イベントに参加するのが決まってしまったのでもう引き下がる事は出来ません。

 

逆算で起業をして、生産工場と契約をして、ラベルのデザインをして。。。と目まぐるしく事が動いていきます。なかでも起業もしていない社会的信頼が一切ない私が生産工場を見つけるのは至難の業でした。ここはたまたま当時出会った、見かねた食品業界の天使のような大先輩が手を差し伸べてくださり、紹介してくださった方を介して乗り越える事が出きました。

 

工場が決まってからも色々な問題は山積みです。「ミニマムロットは100L、賞味期限は保存料を使っていないので4か月」と言われましたが、それが何を意味するのかも分からない私はそのまま受けてしまったのです。恐ろしいですよね、一本200gで一種500本あまりのケチャップ、しかも当初は3種あったので、1500本買ってそれを4か月の間で掃かせられると思っていたのですから。

 

(最終的には工場があまりにも不憫に感じたのか、半量でいいよと申し出てくださりました。

本当に良かった。これでも750本買ったのですから)

 

 

初代の甘酒ケチャップたち。ラベルサイズがあっていないけど愛おしかった。リンゴ酢ベースのクラシック、玄米酢+お醤油のジャポネ、バルサミコ酢とカイエンペッパーのガストロノミックの3種類でした。

 

その他にもラベルのサイズの問題があったり、味が決まらない問題があったり…それこそ数えきれないほど色々な事がありましたが、毎日夢中で楽しかったことしか覚えていません。

 

そして迎えた当日、4日間の出展では、協会の集客の働きかけもあったのと、起業祝いに沢山の友達や知人が買いに来てくれて、期間中に半分以上がはけたのです。沢山売れて嬉しくて、幸先良いと思っていました。

 

甘酒 ケチャップ 発酵 起業 砂糖不使用

 

この東武のイベントの広告に、名だたる発酵食品と一緒に自分の商品の試作が(はい、まだ撮影時は試作でした💦)が載ったときは本当に嬉しいやら怖いやらで穏やかではいられませんでした。

 

ところが。。

イベントが終わり、個人で活動するようになったら現実が待っていました。

先ず次に何をしていいかわからない(笑)。

どんなイベントがあるかもわからないし、何に参加して良いかもわからず。

勿論声もかからない。それはそうですよね、実績が無い会社で、認知度も低ければ社会的信用もないのですから。

 

そしてまずは東京駅でやっているマルシェを見つけてどうにか受け入れてもらいました。

前の日からロッカーに荷物を運び入れ、二日がかりで準備。デパートの時よりは少なくて良いかな、と60瓶持っていったんです。

だけど一日の売上は10瓶程度。この中には近くで働いていた元同僚が買ってくれたのが何本か。

 

そんなはずはない、とマルシェを転々とする在庫との戦いの生活が始まりました。

 

 

そしてダブルパンチ。。コロナ禍に突入。

2019年6月に初めて商品を持って半年強ほど動き出した頃、コロナに襲われました。4か月でなんとかかんとか商品を掃かせ、発注した第二ロットが届いた頃です。

 

コロナ禍でただでさえ知られてない商品をどうやって売るのか?本当に毎日毎日そのことばかりで悩んでいました。

がむしゃらすぎて悩みすぎてあまり多くの事は覚えていないのですが、経験不足から変な勧誘に合ったり沢山の失敗をしても挑戦や動く事だけは止めませんでした。そうすると出会いはそれなりにあるものなんです。

 

商品をお取扱い始めてくださった小売店のお声掛けによりイベントに出させたりしてもらうようになるわけです。

そうすると、同じ出展者の方々にケチャップの人ね、と無名の会社でも覚えてもらえるわけなんです。私は食品業界で実績がなかったので、商品を持たずに麹を洋食で拡げている、と一言で言っても忘れられてしまっていたでしょうに、甘酒を砂糖代わりに使ったケチャップを販売している人となると断然印象に残してもらえるのです。

 

発酵関連のイベント出展の時は、気が付いたら私の周りの出展者は皆100年も200年も前から伝統発酵調味料を作っている老舗の醸造家ばかり、なんてこともめずらしくなく、商品を持つということで、自分が尊敬するこんな方々と一瞬でも横並びになることができるなんて。。こんな世界が見れるのかと感動したのも記憶に新しいです。

 

開発した商品はその後で、静岡県浜松の名産品、浜納豆を使った発酵麹大豆フレーク3種(プロバンス・イタリアン・カレー)、白みそを使った塩麴ソイマヨ、まるやさんの有機八丁味噌を使った八丁味噌グレイビーと続いていきます。素晴らしい出会いに恵まれ、頂いたご縁の結果生まれた商品でありました。

 

   

発酵麹大豆フレーク。中でもプロバンス風味が本当に好きだった。又どこかで復活させたい気持ちも。

 

ラベルはフランス時代からの友人のデザイナーに作ってもらいました。

 

発想を変えよう、商品は目的ではなく手段だと。

 

コロナ禍の3年間弱はそれこそ山あり谷ありでしたが、発酵ブームも手伝って、幸い商品を破棄しなくてはいけない事態になることはありませんでした。勿論事業計画を作っていたときのように、これで食べれ行けるという状態からは程遠かったので、何か別の事も同時にやっていかなくては会社の存続も厳しい状態です。そこで私は発想を変えたのです、このオリジナル商品を売ることを目的にするのではなく発酵の素晴らしさを拡げる手段だと思おう、数を売ることを目標とすると、売れないことで立ち止まってしまうので、これを武器に自分の途を開いていこう、と。

 

軸は変わらず「麹をもっと洋食へ」。日本の発酵調味料が洋食の日も当たり前のようにテーブルに並び、健康と笑顔をもたらすように。という思いともにセレクトした商品を海外にプロモート始めました。21年の事です。ここから又新しい風が入ってくるようになります。その後は、自社商品以外の発酵調味料を海外に売る事、発酵を教える事、海外展開のサポートをすること、インバウンド対策で地方に協力すること、発酵商品の海外ロモーションに携わる事。。と同じ軸でいくつもの帽子をかぶるようになっていきました。

 

 

そして5年後の今、今日ここにいる。フェース2へ。

 

商品を持つという事は誰でも出来るけど、誰もがやることでないこと。

 

これを乗り越えたからこそ見えたことは沢山ある。商品があったからこその出会いもそのうちのひとつだけどそれだけではなくて。

 

商品を持っている人の作り手の気持ち。

ブランディングの考え方(そして難しさ)

ストーリーテリングの大切さ

BtoBtoC、BtoCのビジネスの進め方

商品の値付け、卸の考え方

輸出業務(これは前職でもやっていたことだけど)

対面接客、交渉の仕方など

 

今関わっているすべての業務に、すべてが役立っている。

この経験があるからこそやる事言う事に深みが出ている事は確かで、自分ならではのサービスが出来るようになったのだと思います。

 

これからは会社継続10年に向けたフェース2へ。

 

ここまで私を連れて来てくれた商品達とは涙のお別れです。

24年8月にフランスに拠点を移すことがその理由です。元々日本滞在は限られた時間だと決まっていたことでした。

 

会社はそのまま日本に残しつつ、これからはフランスで伝統発酵を広められるよう活動内容をシフトして精進していきます。

 

私は日本人なのに国際結婚をしたばかりに、私を育ててくれた日本を離れてしまうことにいつもどこか後ろめたさがあります。

だから自分の誇りが持てる日本の文化の継承に自分ができることをして還元が少しでも出来たら。

 

この先5年も又悩みながらも足を止めず進み続けます。

 

あれだけ5年間悩まされた在庫がすっかり空っぽになって寂しすぎるけど、きっとこれも意味のある別れなのだと信じています。

これまで応援・ご協力をしてくださった方々、本当にありがとうございました。

今後は又違う形でお世話になります!

 

 

 

令和6年3月31日

オレガン愛美

 

*OEMという形では残していくことになりますので、ご一緒させていただく業者様のご紹介などは状況が整ったら又ご報告します。

 

 

 

 

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麹を使った日本の伝統発酵調味料を洋食文化に広げたい思いで【Atelier de Koji(アトリエ ドゥ コウジ)】が生まれました。発酵マイスター・プロフェッショナル・上級麹士の資格を持つオーナーが、無添加でうまみのある調味料を洋食に使えるようアレンジをし甘酒ケチャップをはじめ様々にご提案致します。ワークショップやポップアップなども不定期で行っております。

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